ATP・迅速検査研究会 第32回講演会のご案内
当財団 伊藤武理事が会長を務めるATP・迅速検査研究会は2015年2月19日(木)、東京の中央区立・月島社会教育会館(東京都中央区月島4-1-1、月島区民センター内)において第32回講演会を開催します。
ご参加のご検討を宜しくお願い致します。
日時 |
2015年2月19日(木) 13:00~(受付:12:20~) |
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会場 |
月島社会教育会館(東京都中央区月島4-1-1、月島区民センター内) |
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内容 |
プログラム(予定) ※講演時間には質疑応答の時間も含まれています
※開演前と休憩の時間に、会場ロビーにおいて、ATP・迅速検査の関連資材の展示を予定しております。開演前・休憩時間・セミナー終了後にぜひご覧ください。 |
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お申し込み |
ATP・迅速検査研究会 第32回講演会(外部WEBサイト) |
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お問い合わせ |
ATP・迅速検査研究会 事務局 担当・立石、室原 |
特定非営利活動法人 食の安全を確保するための微生物検査協議会
第4回 研修会
188名(会員93名、一般95名)が参加した本研修会では、当財団伊藤武理事が座長を務め、計9名の役職員が運営を担いました。食の安全のため同協議会の活動を通して普及啓発に努めました。
尚、同NPO法人は、当財団伊藤 武理事が副理事長、
山縣文夫理事が理事(庶務担当)、調査研究室 森 哲也技術専門係長が監事を務めています。
http://www.foodsafety-bikyo.com/info/index.html
日時 | 日時:2014年11月27日(木)午後1時~4時 | ||
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会場 | 中央区立日本橋公会堂4Fホール (東京都中央区日本橋蛎殻町1-31-1 ※東京メトロ半蔵門線 水天宮前駅6番出口徒歩2分) |
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内 容 |
特定非営利活動法人 食の安全を確保するための微生物検査協議会 研修1:食品製造におけるHACCPによる工程管理の重要性 HACCPとは 原材料の受け入れから最終製品までの工程毎に、微生物、化学物質、金属の混入などの、潜在的な危害要因を分析・特定(危害要因の分析:Hazard Analysis)した上で、危害の発生防止につながる特に重要な工程(重要管理点:Critical Control Point)を継続的に監視・記録する一連の工程管理システムのことである。HACCPの導入により、より効果的に問題のある製品の出荷を未然に防ぐことが可能となり、原因の追究を容易にすることが可能となる。 HACCPをめぐる海外の動き 米国では、1997年より、州を越えて取引される水産食品、食肉・食鳥肉及びその加工品、果実・野菜飲料について、順次、HACCPによる衛生管理を義務づけている。またEUでは、2006年より、一次生産を除く全ての食品の生産、加工、流通事業者にHACCPの概念を取り入れた衛生管理を義務づけている。なおHACCP要件の柔軟性も認められている。これ以外にも、カナダ、オーストラリア、韓国、台湾などでHACCP制度の義務付けがなされている。 日本におけるHACCP 1995年に、HACCPによる衛生管理を食品衛生法に位置づけた。いわゆる総合衛生管理製造過程承認制度である。この制度では、営業者の申請に応じて審査が行われ、厚生労働大臣が施設ごと、食品ごとに承認する制度であるが、対象となる食品が、食品衛生法に定められたもののみであり、導入が進んでいなかった。 HACCP普及に向けた新たな取組み HACCP基準の導入に向けて、食品製造におけるHACCPによる工程管理の普及のための検討会が平成25年9月より開催され、HACCPによる工程管理を普及推進させるための施策等について検討されている。検討会では、これまでの施策の問題点や具体的な方針が示されている。食品衛生法に基づく衛生管理には、管理運営基準(ソフト面)と施設基準(ハード面)がある。今後は食品衛生法に基づく規定として、従来の管理運営基準に加え、HACCP導入型基準が設定され、HACCP普及のための準備と各自治体における条例化を踏まえ、平成27年4月1日より施行される予定である。 HACCPの実際 高度で難しいと考えられているHACCPであるが、食中毒予防の3原則((1)つけない、(2)増やさない、(3)やっつける)に基づいたものであり、現在実施している衛生管理をベースにHACCP型に整理することで対応可能となる。 研修2:知っているようで知らないノロウイルス ノロウイルスの特徴 ノロウイルスは冬季に大流行する非細菌性食中毒の原因ウイルスとして知られており、感染制御法の開発が望まれている。ノロウイルスの陽性者では、糞便耳かき一杯に1億個程度のウイルスが存在しており、人は100-1,000粒子程度を摂取することで感染が成立する。食品等を介する糞口感染が代表的であり、酸に強いため、胃を通過して腸に感染する。人とチンパンジー以外には感染せず、感受性細胞株が樹立されていない。ノロウイルス研究は感染制御を主な目的として実施されているが、株化細胞で増殖しないため動物モデルが存在しておらず、近縁種のマウスノロウイルスを代用として使うことが多い。 ノロウイルス研究の現状 小腸上皮細胞表面上の血液型決定抗原(Human Histo-Blood Group Antigen:HBGA)がノロウイルスの受容体と考えられている。・・・ ノロウイルスワクチンの可能性 ノロウイルス感染を完全に防ぐことはできないが、ノロウイルスワクチン開発の可能性はある。つまり感染緩和状態を目指したワクチン開発である。ワクチンの開発には、(1)抗原性の異なる遺伝子型のVirus-Like Particle(VLP)を全て準備してワクチンにする、(2)粒子構造維持のため変化できないアミノ酸配列を使ってワクチンを作る、(3)遺伝子工学により、弱毒化生ワクチンを開発する、道が考えられる。しかしワクチン開発と導入は慎重に行う必要があり、ノロウイルス感染、病原性発現機構を研究、解明しながら有効なワクチン開発に挑戦する必要がある。現在、国立感染症研究所ではワクチンシーズ開発プロジェクトが始動している。
報告:本研修会事務局 森 哲也 |