一般財団法人 東京顕微鏡院 > 食と環境の科学センター > 室内環境検査 > トピックス : 室内環境検査 > PM2.5って何だろう

PM2.5って何だろう

トピックス : 室内環境検査

2013年3月29日
財団法人 東京顕微鏡院 技術顧問
農学博士 瀬戸 博

PM2.5とは?

最近、中国からPM2.5という物質が越境汚染して日本に飛散していることが問題になっています。実は、中国から越境汚染してくる物質は、PM2.5のほかに、よく知られている黄砂や光化学オキシダントなどがあり、これらは複合して人体に影響を与える可能性があります。

PM2.5とは、空気中に漂う非常に微細な粒子(Particulate Matter)で粒子径がおよそ2.5マイクロメートル以下のもので、もちろん目には見えません。正確に言えば、粒子径2.5マイクロメートルで50%の捕集効率のふるいを通過する物質で、2.5マイクロメートルより大きな粒子も含んでいます。粒子が細かいため肺の奥深く肺胞にまで到達し、一部は身体に吸収され様々な健康影響を引き起こします。(1マイクロメートルは1000分の1ミリメートル)

PM2.5の主な発生源は、工場などの燃焼施設からの排煙や粉塵発生施設、自動車・船舶・航空機からの排ガスなど人為起源のものですが、そのほか土壌、海洋、火山など自然起源のものもあります。また、大気中でガス状物質が反応し、二次粒子になることが知られています。

PM2.5に含まれる成分には、硝酸イオン、硫酸イオン、アンモニウムイオンなどのイオン成分、ナトリウム、アルミニウム、ケイ素などの無機元素成分、さらに元素状炭素、有機炭素などの炭素成分があります。

PM2.5は様々な有害成分と細胞で処理されにくい黒色炭素(スス)で構成されているのが特徴です。PM2.5を吸入すると肺の奥深く、肺胞という酸素⇔二酸化炭素のガス交換が行われる領域にまで到達します。PM2.5は活性酸素を放出し、細胞を傷害することから炎症やアレルギーの増強、肺ガン、さらには循環器系への影響が懸念されています。

日本では環境基準値を「1年平均値15μg/m3以下かつ1日平均値35μg/m3以下」であることが望ましいと定めています。最近のPM2.5濃度は越境汚染による増分のため上昇傾向にあります。そこで、環境省は注意喚起が必要なPM2.5の1日平均値を「70μg/m3超」とする暫定指針を設けました。これに達しそうな日には、都道府県が住民に外出や屋外での長時間の激しい運動、室内の換気を自粛するよう呼びかけています。

中国の大気汚染の状況は?

中国環境保護部が公表しているリアルタイムの大気汚染データ1)によれば、北京など内陸部の多くの都市で汚染が進んでいることが見て取れます。

日本の外務省は、中国の大気汚染が深刻な状況にあるとして、2013年2月8日付けで日本からの渡航者向けに「中国:大気汚染に関する注意喚起」を発出しています(2013年3月15日現在有効)。

一般的な対策として、
(1)不要不急の外出を控える。
(2)外出時にマスクを着用する
   (「N95」という規格を満たしたマスクは,PM2.5を95%以上遮断します)。
(3)屋内では空気清浄機等を使用する、と勧告しています。

一方、北京の米国大使館が公表している空気測定速報(2013年2月24日現在)によれば、日本の環境基準の10倍以上の濃度で、米国環境保護庁が設定した「Hazardous」(危険なレベル)が続いており、「すべての人は、戸外での活動を避け、呼吸器、心臓に病気がある人、老人、子供は家の中に留まるように」と注意を促しています。

中国からのPM2.5 - 飛来予測はできるの?

中国で高濃度になったPM2.5は、偏西風や気圧配置などの気象条件が整えば、一部が日本に飛来します。一方、黄砂は中国北西部の広大な砂漠地帯が主な発生地で、強風により上空に巻き上げられた砂塵の一部が気流に乗って飛来するもので、雪が融ける3月から5月に頻繁に飛来する傾向があります。本年は3月8日に初めて九州地方や山口県で黄砂を観測しました2)。大分県立看護科学大の市瀬教授は、この黄砂にはPM2.5が付着していて、アレルギー反応を増悪させる恐れがあると指摘しています2)

大気汚染微粒子や黄砂の飛来を予測するシステム3-5)が動いていますので、高濃度が予想される日は戸外での活動を控えるなどの参考にしていただきたいと思います。


1)中国環境保護部「全国都市大気質リアルタイム公表プラットフォーム」
  http://113.108.142.147:20035/emcpublish/

2)PM2.5 :「汚い黄砂」ご注意 九州・山口9日も飛来予想 2013年03月09日毎日新聞
  http://mainichi.jp/select/news/20130309mog00m040004000c.html

3)そらまめ君(環境省大気汚染物質広域監視システム)
  http://soramame.taiki.go.jp/Index.php

4)東アジア域の黄砂・大気汚染物質分布予測(九州大学/国立環境研究所)
  http://www-cfors.nies.go.jp/~cfors/index-j.html

5)SPRINTARS(大気汚染微粒子および黄砂の飛来予測/九州大学 竹村俊彦准教授)
  http://sprintars.riam.kyushu-u.ac.jp/index.html

 

お問い合わせ
一般財団法人 東京顕微鏡院 食と環境の科学センター 営業部
〒190-8535 東京都立川市高松町1-100-38
TEL:042-525-3176/FAX:042-525-3645

 

ダウンロード
検査依頼書
食と環境の科学センター
【 豊海研究所 】
〒104-0055
東京都中央区豊海町5-1
豊海センタービル4F
TEL: 03-3534-2970
FAX: 03-3534-2975

【 立川研究所 】
〒190-8535
東京都立川市高松町1-100-38
TEL: 042-525-3176
FAX: 042-525-3645
簡易専用水道専用
TEL: 042-525-3186

【 市ヶ谷本院 】
〒102-8288
東京都千代田区九段南4-8-32
市ヶ谷本院5F
TEL: 03-3238-2137
FAX: 03-3238-2153
関連施設
ページの先頭へ戻る