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春ともなれば、地域や職場で健康診断が始まります。
新しい年度に活動するには、個人はもちろん、社会にとっても、まず健康をチェックすることが必要です。そこで、健康診断が春から夏にかけてさかんに実施されるのです。
人間ドックも本質的には健康診断と同じで、その主要な目的は、異常の発見ということになります。 |
| 健康診断のステップ |
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地域、職域の健康診査、健康診断は、老人保健法、労働安全衛生法などの法律で定められていて、検査内容も、通常はその規定に沿って行われます。一般的にいえば、問診、診察、身体計測、血圧測定、検尿、採血、胸部X線撮影、心電図が一次健康診断として行われます。
また、中年以上ではがん検診も重要です。検査結果に異常があれば、二次健康診断(精密検査)が必要となり、その結果、正常範囲、要注意、要治療に区分され、事後指導を受けることになります。
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| 健康診断の受診率 |
官公庁や大きな企業であれば、健康診断の受診率は良好で90%を超えたものとなり、充実した健康管理体制があります。
しかし、地域の健康診査となると、受診率は30%を超えればよいほうです。その対象は、40歳以上の自営業者や主婦、定年退職者ですが、こうした人たちには次のような問題点があげられます。
| 1. |
受診が義務づけられていない |
| 2. |
実施は地域の保健センター、診療所、病院などで、受診者が選択することになる |
| 3. |
高齢にともなって異常者が増加する |
| 4. |
異常が出てもその後の管理指導に不備がある |
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| 自覚症状のない病気の発見 |
健康診断の目的は、未病の発見にあります。一般に生活習慣病といわれるものは、その初期にあっては自覚症状がありません。水面下にあって、病気として自覚されないのです。高血圧、高脂血症、糖尿病、肝機能障害、軽度の貧血、初期がんなど、すべて無症状です。
したがって、自分は健康だと思って健康診断を受けようとしなかったり、あるいは異常を発見されるのが怖くて受診しない人も見られます。実は、こうした人に一番問題があり、未受診者に異常の頻度が高いのです。 |
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| 人間ドックなどを上手に利用 |
老人保健法にもとづいて地域で行う健康診査や労働安全衛生法にもとづいて職場で行われる健康診断に比べて、人間ドックの検査項目はかなり多く、また、異常の発見に注意が払われています。
受診者の年齢構成では、50歳代にピークがあります。日帰り、1泊あるいは2〜3泊などの人間ドックもあり、それに応じて経費も高くなります。勤めている間は、会社から人間ドック受診の補助が得られても、退職後はすべて自己負担になります。ただ最近は地域でも誕生日健康診断などで検査項目を増やすところもあり、また、希望者に安い経費でがん検診も実施されていますので、その機会を上手に利用するとよいでしょう。 |
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| 受診のこころえ |
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60歳以上では、異常の頻度が高くなりますので、年に1回は健康診断あるいは人間ドックを受診する必要があります。また検査にあたっては、次のような点を心得ておいて下さい。
| 1. |
検査に異常がなくても、必ずしも健康というわけではない |
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検査を受けた時点で、検査項目の範囲では異常がなかったというだけで、今後も大丈夫という保証はありません。
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2. |
検査値の正常範囲(基準値)は絶対的なものではない |
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たとえば、血清総コレステロールの正常範囲などは、わが国ではまだ確定したものがなく、医師によって説明が違うことがあります。また、値は測定するたびに変わるのが普通
です。年齢によっても正常範囲が異なってきます。 |
3. |
毎年の検査結果はファイルとして保存する |
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病気で受診した際、医師に提示すると、よい参考資料となります。 |
4. |
がん検診も受けるようにする |
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がん検診がとくに必要なのは、がんの家系がある人、ヘビースモーカー、胃腸症状や便に出血がある人、アルコール飲量
が多い人、食事に偏りがある人(塩分が多い、野菜が嫌い、外食が多い)、尿が出にくい人、輸血や肝炎の既往がある人などです。 |
5. |
検査の結果にもとづき、生活習慣を改善するようにつとめる |
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生活習慣を改善するようにつとめないと、何のために健康診断を受けたかわからないことになります。 |
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| 健康は財産! |
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とくに高齢者では、健康が何よりの財産です。喫煙、運動不足、栄養障害などは、個々の検査値の異常よりもはるかに生命予後に関係することが知られています。
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| これだけは気をつけたい |
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1. 検査結果を正しく理解する(医師の説明を受ける)
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| 2. 血圧値を正常に保つ |
| 3. 禁煙に踏み切る |
| 4. 肥満、糖尿病、高脂血症の人は必ず栄養指導を受ける |
| 5. 運動習慣を身につける(1日1時間のウォーキング) |
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[財団法人東京顕微鏡院]
学術顧問
東京都老人医療センター名誉院長
小澤 利男 |
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