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第29号 平成13年4月10日発行

・健康問題、現実と認識にズレ −平成11年国民栄養調査− 記事を読む
・40歳代の乳がん、マンモ併用で早期発見可能 記事を読む
・基準等の変更についてのお知らせ 記事を読む
・生活習慣病予防講座 Vol.25<がん予防シリーズ13> 〜高齢社会とがん〜 記事を読む
・労働衛生Q&A 記事を読む

健康問題、現実と認識にズレ −平成11年国民栄養調査−

 肥満、高脂血、高血圧、高血糖などと判定されていても、その現実を自分の健康問題として認識している割合は男性で3〜5割、女性で1〜6割にとどまり、現実と認識にズレがあることが、厚生労働省が3月9日に発表した『平成11年国民栄養調査』で明らかになった。

 調査は平成11年11月に、全国約5,000世帯の世帯員約15,000人を対象に実施されたもの。

◆若い男性で肥満多い傾向
 国民の健康状態を見ると、高血圧(境界域含む)の者の割合は男女とも70歳代が最も高く、男性が67.5%、女性が69%となっている。高血糖の者の割合についても、男女とも70歳代が最も高く、男性が36.6%、女性が42.4%となっている。一方、肥満の者の割合は、男性では40歳代の31.4%、女性では60歳代の30.4%が最も高い。さらに、高脂血の者の割合は、男性では40歳代の59.6%、女性では50歳代の62.5%が最も高くなっている。男女を比較すると、男性では若い頃から肥満の者、高脂血の者の比率が高い傾向がみられ、とくに肥満の者の割合が最も高い年代については、男性と女性では20歳もの差がある。
◆認識が低い健康問題
 健康上の問題として、「肥満」「中性脂肪やコレステロールが高い」「血圧が高い」「血糖が高い」を認識している者の割合をみると、女性の70歳以上の「血圧が高い」の他はいずれも30%を下回り、男女とも認識があまり高いとはいえない状況にある。
◆危険因子があっても同様
 現在の健康状態で、肥満、高脂血、高血圧、高血糖と判定されている者について、それぞれの状態を自分の健康問題として認識しているかどうかをみると、最も高い肥満でも認識率は男性45.1%、女性60.2%にとどまり、高脂血については男性29.8%、女性35.3%などいずれも低い認識にとどまっている。
 こうした認識の低さについて厚生労働省生活習慣病対策室では、「国民の認識不足が改めて確認された。特に若い人は健診の受診率が低く、自覚症状がないと気にしない傾向があるようだ。危険因子を持つ人でも認識が低く、自覚がないことが問題である。こうした人たちに認識してもらうための普及啓発が必要である」としている。
◆若い世代は脂肪とりすぎ
 エネルギー摂取量に占める脂肪エネルギーの比率をみると、男性の20〜40歳代、女性の20〜50歳代で適正比率(20〜25%)を上回り高率。また、脂肪エネルギー比率が25%を超えていても、「摂りすぎ」と認識している者は男女とも2割強にとどまり、「ちょうど良い」「少ない」と認識している者が6〜7割。ただ、「健康のために脂肪を適量 にしようと思いますか」と聞くと、男性の7割以上、女性の9割弱が「そう思う」と答えている。
◆30歳代男性、20歳代女性で高い喫煙習慣
 生活習慣病の発症に関わる喫煙習慣は男性では30歳代(58.1%)、女性では20歳代(16.0%)が最も多く、飲酒習慣は男性では50歳代(64.3%)、女性では30歳代(11.9%)が最も高い。一方、運動習慣は男女とも30歳代で最も低かった。
◆職場は配慮不足
 職場で受けている配慮については、「健康診断の受診」と「食事時間の確保」をあげる者が多く、「健康や食生活に関する情報の提供」や「栄養指導や栄養相談」といった、より良い食生活のための配慮を受けている者は少ない。
◆カルシウム・鉄は所要量下回る
 国民1人1日当たりの栄養素等摂取量を調査対象の平均栄養所要量に対する充足率でみると、エネルギーはほぼ適正摂取であり、カルシウムと鉄を除く栄養素については所要量 を上回っている。これを年齢階級別でみると、カルシウムの充足率が15〜19歳と20〜40歳代で、鉄については19歳以下と20〜30歳代で所要量 を下回っている。
 食塩摂取量については成人で1日10g未満が目標とされているが、20歳以上のいずれの年代でも超えており、50歳代では男性で15.4g、女性で13.3gと最も高い。

40歳代の乳がん、マンモ併用で早期発見可能

 厚生労働省の「50歳未満の適正な乳がん検診のあり方に関する研究班」(主任研究者=遠藤登喜子・国立名古屋病院放射線科医長)はこのほど、40歳代でも視触診とマンモグラフィを併用すれば乳がんの早期発見が可能とする報告をまとめた。

 マンモグラフィ検診を巡っては、50歳以上に対する有意な死亡率減少効果が欧米で証明され、わが国でもがん発見率・早期がん割合の点で視触診法より優れているとの研究データが示されている。同省は、体制の整備された自治体から、50歳以上の女性に2年に1度、視触診とマンモグラフィの併用検診を実施するよう指導している。

 一方、わが国で最も罹患率が高い40歳代に関しては、一般に乳腺の密度が高いため乳がんの早期発見が難しいとされ、世界的にも、検診のあり方について結論が得られていない。
 研究班は、40歳代と50〜69歳の2群について、東北大学を中心に宮城県内で平成7〜10年に実施した視触診、マンモグラフィ併用法の成績を比較した。

 結果は、表のとおり。マンモグラフィの乳がん発見率は両群とも視触診より良好で、併用法では両群とも0.20%。また、40歳代女性に対する費用効果 分析でも、マンモグラフィ併用法は、視触診単独や超音波併用法より優れていることが明らかになった。

 これらの結果を踏まえ、研究班は「40歳代でもマンモグラフィ併用により死亡リスクを軽減可能な検診の可能性が示唆」されると結論づけるとともに、精度管理システム構築の重要性を訴えている。


●40歳代と50〜69歳の成績比較 Miyagi Trial(平成7〜10年)
視触診 マンモグラフィ 併用法
40歳代 50〜69歳 40歳代 50〜69歳 40歳代 50〜69歳
受診者(人) 49,743 97,516 13,058 12,076 15,271 17,755
発見がん(件) 55 84 20 16 30 36
発見率(%) 0.11 0.09 0.15 0.13 0.20 0.20
要精検率(%) 8.3 3.9 10.0 6.4 10.4 7.2

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