受動喫煙防止対策とニコチン測定

財団法人 東京顕微鏡院 食と環境の科学センター
環境衛生検査部 部長  瀬戸 博

愛煙家にとっては、この4月からますます肩身の狭い思いを強いられそうです。
平成22年2月25日に厚生労働省から各都道府県などに「受動喫煙防止対策について」という通知が出されたためです。

もともと「受動喫煙の防止」については、健康増進法第25条で以下のように規定されています。

「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他多数の者が利用する施設を管理する者は、 これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」

注1) 「その他の施設」は、鉄軌道駅、バスターミナル、航空旅客ターミナル、旅客船ターミナル、金融機関、美術館、博物館、社会福祉施設、商店、ホテル、 旅館等の宿泊施設、屋外競技場、遊技場、娯楽施設等多数の者が利用する施設を含む。また、鉄軌道車両、バス、タクシー、航空機及び旅客船などについても「その他の施設」に含む。

しかし、今回の通知では、受動喫煙へのより厳しい具体的な対策を求める国際的な動きを背景に、公共の場所での全面禁煙を求めるなどさらに一歩踏み込んだ内容となっています。これにより、官公庁や医療施設では全面禁煙が進むものと推察されます。

一方、全面禁煙が極めて困難である施設・区域の施設管理者に対しては、当面の間、喫煙可能区域を設定するなどの受動喫煙防止対策を求めることとし、将来的には全面禁煙を目指すことを求めています。その場合においても、「分煙効果判定基準策定検討会報告書」(平成14年6月)等を参考に、喫煙場所から非喫煙場所にたばこの煙が流れ出ないことはもちろんのこと、適切な受動喫煙防止措置を講ずるよう努める必要があるとしています。

分煙施設では、「喫煙場所から非喫煙場所にたばこの煙が流れ出ないこと」が大変重要なのですが、多くの施設で分煙効果が不十分なため、たばこの煙や臭いの苦情が寄せられているのが現状です。

(財)東京顕微鏡院では、受動喫煙防止対策に関するアクションとして、神奈川県の先進的なスモークフリー(受動喫煙防止)への取り組み(平成22年4月1日施行)に賛同し、平成22年1月29日に検査機関としては初めてとなる「受動喫煙防止条例応援団」 (PDF:172KB)に参加いたしました。

具体的な取り組みとしては、空気中のニコチン濃度、臭い成分の濃度、浮遊粉じんなどの測定・分析を行い、分煙効果を定量的に検証するお手伝いをいたします。分煙効果はエビデンスに基づいて判定することが重要ですが、上記のサービスは現在、最も信頼のおける科学的手法として自信を持ってお客様にお勧めできる内容となっています。

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