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食品添加物の安全性について

トピックス : 食品等の検査

2013年7月31日
一般財団法人東京顕微鏡院 食と環境の科学センター
豊海研究所 渡部健二朗

近年、スーパー、コンビニ、デパートの食品売場などには様々な加工食品が並んでいます。加工食品の多くは食品添加物が使用されており、食品の風味や外観を良くしたり、品質の低下を防止したり、また、食品添加物なしではつくれないものもあります。また、食中毒菌を含む微生物の繁殖を抑え、食中毒のリスクを減らし、食品の無駄を減らすことにも役立っています。

一方で、食品添加物の安全性について懸念をもつ人もいます。そこで、食品添加物とは何か、安全性がどのように確かめられているかを紹介します。

食品添加物とは

1. 食品添加物の定義

「添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。」と食品衛生法(第4条第2項)で、定義されています。食品の加工・製造に用いられる乳化剤、保存料、酸化防止剤、調味料、着色料などが食品添加物であり、化学的合成品だけでなく天然物であっても、また、最終製品に残っていなくても食品に添加されるものはすべて食品添加物になります。

2. 食品添加物の分類

日本では食品添加物は次の4種類に分類されています(表1)。

表1 食品添加物の分類

3. 食品添加物の指定

食品添加物は人の健康を損なうおそれのないもので、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めたもので、指定されるためには次のような要件があります(表2)。

表2 食品添加物の指定の要件

食品添加物の安全性について

1. 安全性試験

食品添加物は毎日食べる食品に含まれているため、多くの人が少量ではあっても長期に摂取することになります。従って、食品添加物の毒性、特に長期毒性や発がん性については医薬品以上に厳密に確認されています。食品添加物の安全性を確保するために、様々な安全性試験が行われています(表3)。

表3 安全性確認のための主な動物試験

2. 一日摂取許容量及び使用基準の設定

安全性試験の結果に基づき、実験動物に害を及ぼさない食品添加物の最大無毒性量が求められます。人が食品添加物を毎日摂取しても障害が起こらない体重1kgあたりの量すなわち一日摂取許容量(acceptable daily intake,ADI)は、毒性試験から得られた最大無毒性量に安全係数を乗じて算出されます。安全係数は種差、個人差を考慮した数値で、通常1/100が用いられます。

また、様々な食品から食品添加物を摂取しても、摂取量が一日摂取許容量を超えないように、食品添加物に使用基準が設定されています(表4)。

表4 保存料の使用基準例

安全性確保のための検査

1. 一日摂取量調査

厚生労働省は食品添加物の摂取量を把握するために、マーケットバスケット方式(以下MB方式)による一日摂取量調査を実施しています。

MB方式とは、スーパー等で売られている食品を購入して、調理後、その食品に含まれている添加物量を測り、一日摂取量を求めるものです。平成22年度の調査結果※1では、20歳以上の摂取量は表5のとおりで、JECFA※2で設定した一日許容摂取量(ADI)と比べ少なく、安全性上問題ないことが確認されています。

表5 一日摂取量の比較(20歳以上)

※1 厚生労働省ウェブサイトhttp://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/sesshu/)「平成22年度MB方式による着色料、保存料等の摂取量調査の結果について」から一部転載

※2 JECFA:食品添加物のFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(各国の添加物規格に関する専門家及び毒性学者からなり、各国で実施された添加物の安全性試験の評価を行っています。)

2. 輸入食品及び流通食品の検査

食品に使用された添加物が定められた使用基準に適合しているかの検査が行われています。輸入食品については輸入時に検疫所や登録検査機関で、また、卸売市場、スーパー、小売店などで国内に流通する食品は都道府県知事が設置した食品衛生検査施設などによって検査が行われています。

検査の結果、規格基準に適合しない違反食品は回収、廃棄、積戻しなどの処分が行われ、国内に流通しないようにされ、食品の安全性が確保されています。なお、違反食品の情報や検査結果等は厚生労働省や地方自治体のウェブサイトで参照できます。

当院は登録検査機関であり、検疫所、地方自治体、輸入業者、製造業者などからの依頼を受け、種々の食品の検査を行っています。


食の安全性に対する消費者の意識が高まっています。食品の危害要因として有害微生物、カビ、天然有害成分、アレルギー物質、放射性物質などがあり、人にとってリスクになります。一方、食品添加物は食品衛生法で厳しく規定され、科学的にもその安全性が試験されており、食品衛生上のリスクは少ないものと思います。いずれにしても食生活の安全確保は、偏りのないバランスのとれた食品の摂取がなによりと考えます。


○食品添加物に関するウェブサイト(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syokuten/gaiyo.html

○公益財団法人日本食品化学研究振興財団

http://www.ffcr.or.jp/

○日本食品添加物協会ウェブサイト

http://www.jafa.gr.jp/

○輸入時における輸入食品違反食品事例(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/ihan/

 

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