プールで感染する病気とは?

連日の猛暑の中、プールに出かける方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、プールの水を介して感染する病気があるのをご存知でしょうか。

一般にプール熱と呼ばれる「咽頭結膜熱」や、はやり目の通称で知られる「流行性角膜炎」、そして強い眼の痛み、充血、眼脂をともなう「急性出血性結膜炎」などがあります。

咽頭結膜熱と流行性結膜炎はアデノウイルス、急性出血性結膜炎はエンテロウイルスによって感染しますが、このような感染症を防ぐために、プール水は塩素で消毒され、その濃度はウイルスを不活化する0.4mg/L以上で保たれているのです(水道水は0.1mg/L 以上)

実は塩素は晴天日には10分間に0.1mg/L消費されるため、プール管理者は毎日、遊泳前と遊泳後に遊離残留塩素を測定し、プール日誌に記録することが義務付けられています。基準値以下の濃度の場合は、塩素濃度を基準値に調整する、もしくは遊泳を中止する処置がとられ、感染症を未然に防いでいます。

このように、プール水の水質基準は、国や都区条例で厳しく定められています。プール管理者はpH値、濁度、過マンガン酸カリウム消費量、一般細菌、大腸菌などについて、毎月1回以上、定期に検査を行い、基準値内かどうかの確認を行うことが義務付けられています。基準値以上の細菌類が検出された場合は、塩素消毒を強化し、その原因を究明します。

プール利用者に求められる感染症の予防策としては、遊泳後のうがい、手洗い、洗眼、シャワーを浴びる、などがあります。目のウイルス感染症予防には、洗眼は欠かすことが出来ません。

しかし、最近は水道水で洗眼をすると、塩素で角膜を損傷する危険があるという学説があり、遊泳後の洗眼を中止する施設もあるようです。こうした場合、ゴーグルの着用が推奨されています。

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