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簡易専用水道検査と施設のランキング制度

トピックス : 簡易専用水道検査

2016年6月29日
一般財団法人東京顕微鏡院 食と環境の科学センター
簡易専用水道検査部 井上 太

貯水槽の必要性

平成28年4月14日に九州熊本地方を震源とするマグニチュード6.5(暫定値)の地震が発生し、最大震度7が観測されました。さらに4月16日には同じく熊本地方を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生し、再び最大震度7が観測されるなど、熊本県や大分県において規模の大きな地震が相次いで発生しました。

被災された方々や関係者の皆様にお見舞い申し上げますとともに、一日も早く平穏な日常生活が取り戻せることを心よりお祈り申し上げます。

このような大きな災害が発生すると、ライフラインが断絶し、とりわけ水の供給がストップしてしまうことで、飲料水はもとよりトイレやお風呂、洗濯といった日常生活に大きな支障をきたすことになります。

ここで注目すべきは、貯水槽です。通常、3階建て以上のマンションや学校、公共施設や工場などには、貯水槽(受水槽や高置水槽)といったタンクが設置されており、そこから各住宅や各蛇口に水が送られているため、タンクには常時必要量の水が貯留されています。災害発生時にそのタンクが破損しなければ、何トンもの水がそこにあるのです。

災害対策用貯水槽

現在、自治体などでは、緊急時非難指定場所となる学校や公共施設に設置されている貯水槽を災害対策用貯水槽として有効活用しようという取り組みがなされています。水道水の供給がストップした場合でも、数日間の生活用水をその貯水槽で確保しようというものです。

その一方で、貯水槽を廃止し直結給水化を進めている自治体もあります。一旦貯水槽に水を溜めることで、残留塩素の消失や外部からの水質汚染が発生する場合がありますが、そのリスクを軽減しようという考え方です。

確かに、貯水槽など施設の維持管理が十分に行われなかった場合、水質汚染のリスクを増加させてしまうことがあるのは事実ですが、災害発生時の生活用水の確保に貯水槽の水を利用することは、非常に有効な手段であると考えられます。

 

貯水槽水道ランキング表示制度

全国の簡易専用水道検査機関や飲料水水質検査機関で組織されている一般社団法人全国給水衛生検査協会では、「貯水槽水道ランキング表示制度」に取り組んでいます。

これは、厚生労働大臣の登録を受けた検査機関が行う、簡易専用水道の法定検査に合わせて、貯水槽の日常的かつ中長期的な管理体制や、貯水槽の耐久性、耐震性能等の評価基準に従って評価を行い、S・A・B・Cの4段階のランキング(各付け)を行う制度です。

このランキングにより、上位のS(管理優良施設)、A(管理適合施設)の2段階については認定証が交付され、それを掲示することにより管理が優良な施設であることを対外的に示すことができます。

この評価基準の中には、貯水槽の耐震強度や緊急遮断弁※1の設置状況、フレキシブルジョイント※2や配管サポートの取り付け状況など、施設の強度や機能に関する事項が含まれていることから、特に、学校や公共施設、病院や福祉施設などの貯水槽や災害対策用貯水槽などに有効ですが、マンションやビルなどに設置されている貯水槽についても十分に有用であると考えられます。

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※1:緊急遮断弁

地震などを感知した際、自動的に貯水槽の出水口を遮断して、貯水槽内に貯留されている水の流出を防止する。

※2:フレキシブルジョイント

配管の繋ぎ手を可変式(フレキシブル)にすることで、地震などによる連結部の折損や横ズレによる漏水を防止する。

簡易専用水道検査とランキング表示制度

水道法に基づく簡易専用水道検査は、施設の設置者や管理者が、自ら行う管理の状況や施設の維持管理状況を検査するもので、受水槽の有効容量が10㎥を超える施設に義務づけられており、その判定基準は、安全で衛生的な飲料水の確保に必要不可欠な項目が主体となっています。また、水道法で決められている検査なので仕方なく受けるという設置者や管理者の方がいらっしゃるのも事実です。

一方、貯水槽水道ランキング表示制度は、その第一条件が、簡易専用水道検査を受検することで、その検査項目に付加する形で様々な評価基準が設定されていることから、より質の高い管理や施設の状況が求められます。

また、ランキング表示制度による管理優良施設や管理適合施設の認定証を掲示することで、マンションの居住者や施設の利用者に、「水の安全性が十分に確保されている」ということを目で見て確認(可視化)することができます。

これからは、安全な飲料水を確保するためだけではなく、災害発生時の飲料水や生活用水の確保など先を見据えた施設の設置や、一層レベルの高い施設管理への取り組みを積極的にアピールしていくことなどが必要なのかも知れません。

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