レジオネラ症について

レジオネラ症はかつて在郷軍人病といわれ、日和見感染で罹患するのは乳幼児や比較的高齢者など体力のないヒトが感染する危険性が大きく、ヒトからヒトへの感染はしないことから、健常者は一般的に無関心でした。

しかし、近年、浴場を中心にレジオネラ症患者が数多く厚生労働省に報告されるようになりました。国民衛生の動向よると、平成14年は患者数169人、13年166人、12年83人の患者数が国へ報告されています。国への報告件数が増加している理由として次ぎの二つが挙げられます。

その一つは、伝染病予防法、性病予防法、エイズ予防法が廃止され、新たに平成11年に施行された「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」で、レジオネラ症はA型肝炎、B型肝炎などと同様に第4類感染症に分類され、患者をレジオネラ症と診断した医師が7日以内に最寄りの保健所に届出しなければならなくなったこと。

その二は、数時間で尿中のレジオネラ抗原を測定できる特異性の高い検査キットが開発され、尿検査によってレジオネラ症の診断ができるようになったことです。しかし、この方法はスクーリングであり正式な検査法とは承認されていません。

正式な検査方法は、2~3週間の間隔をおいて2回血液検査を行い、その抗体価の上昇から診断します。2回採血する理由は、もし、体内にレジオネラ属菌が侵入すれば、当然、体内にレジオネラ抗体が作られます。この抗体には感染初期にできるタイプ(IgM抗体)と、その病原体が排除され病気が治っても体内に一定期間、若しくは一生抗体が持続するタイプ(IgG抗体)など様々あるからです。

従って、初期感染か、従来から感染していたのか診断するために、2~3週間の間隔で血液検査をそれぞれ行う必要性があるのです。

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